NISAは「腹落ち」してから始めるべき
NISAに興味はあるけれど、なんとなく怖くて踏み出せない。そんな方は多いのではないでしょうか。
投資を始めるには2つの方法があります。①自分で徹底的に調べて納得するか、②本当に信頼できる人(or 専門家)に教えてもらうか、のどちらかです。どちらにせよ「腹落ち」しないまま始めるのは危険です。
「みんなやってるから」「なんとなく良さそうだから」という理由でNISAを始めると、相場が下がったときに慌てて売ってしまい、かえって損をするケースが多いからです。
投資デビュー前にやるべき5つの準備
NISAを始める前に、最低限以下の5つを整えておくことをおすすめします。
① 緊急予備資金を確保する
失業・病気・災害などに備えて、生活費の6ヶ月〜1年分を現金で確保しましょう。これがないと、相場が下がったときに「生活費に困って投資を売却する」という最悪のパターンに陥ります。
② 自分のリスク許容度を把握する
「投資金額が半分になっても眠れるか?」を自問してください。眠れないなら、投資金額を減らすか、投資自体を見送るのが賢明です。
③ 投資の基本知識を学ぶ
「リターンとリスク」「分散投資」「複利」「インデックス投資vsアクティブ投資」「ドルコスト平均法」など、最低限の用語と概念を理解してから始めましょう。本1〜2冊読めば十分です。
④ NISA制度の仕組みを理解する
つみたて投資枠(年120万円)・成長投資枠(年240万円)・生涯非課税枠(1,800万円)という基本構造を押さえておきます。途中で売却すると非課税枠が翌年復活する仕組みも重要です。
⑤ 証券口座の選択基準を整理する
取扱商品数・手数料・操作性・ポイント還元など、自分が重視する基準を明確にしてから口座開設しましょう。後から変更すると手間がかかります。
「待機資金」の置き場所:ネット銀行の定期預金が選ばれる理由
「でも、NISAを勉強している間、お金をただ普通預金に置いておくのはもったいない」と思う方も多いでしょう。
その間の「待機資金」の置き場所として、よく取り上げられるのがネット銀行の定期預金です。理由は3つあります。
理由① 資金移動の手数料が安い
auじぶん銀行・ソニー銀行・楽天銀行などの主要ネット銀行は、ATM手数料や他行への振込手数料が無料または格安です。
将来NISAを始めて証券口座にお金を移す際も、手数料の負担が少なく済みます。メガバンクと比べて使い勝手が良く、日常の口座としても活用できます。
理由② 預かり金額が大きく母体がしっかりしている
主要なネット銀行はいずれも大手グループの傘下です。
- auじぶん銀行:KDDIグループ
- ソニー銀行:ソニーグループ
- 楽天銀行:楽天グループ
また日本の預金保険制度(ペイオフ)により、万が一銀行が破綻した場合でも1金融機関あたり元本1,000万円とその利息まで保護されます。安心して預けられる環境が整っています。
理由③ 定期預金は元本割れのリスクがない
定期預金は預けた元本が保護されており、満期時には元本に利息を加えた金額を受け取れます。途中解約した場合も元本が減ることはありません(利息は減ります)。
メガバンクの1年もの定期預金金利が年0.40%程度であるのに対し、ネット銀行ではそれを上回る金利の商品が多くあります。NISAの勉強をしながら、しっかり利息も得られるのがメリットです。
個人向け国債も選択肢のひとつ
定期預金と並んで、個人向け国債も安全な置き場所として挙げられることがあります。日本国が発行する債券で、最低金利保証(年0.05%)があり、預金保険の対象ではありませんが国の信用で守られます。
ただし注意点があります。個人向け国債は発行から1年間は中途換金できません。また1年経過後に換金する場合、直前2回分の利子(税引き後)相当額が手数料として差し引かれます。
短期間での資金移動を想定しているなら、定期預金の方が柔軟に対応できます。
投資デビュー前のチェックリスト
準備が整ったかどうか、以下の項目を確認してみましょう。
- □ 緊急予備資金(生活費6ヶ月〜1年分)が現金で確保されている
- □ 投資する金額が半分になっても生活に支障がない
- □ 投資の基本用語(分散・複利・リスク等)を説明できる
- □ NISA制度の基本構造を理解している
- □ 自分が買おうとしている商品の特徴・コストを理解している
- □ 短期売買はせず、最低5年以上の長期保有を続ける覚悟がある
- □ 相場が半値になっても、慌てて売らない自信がある
すべて「はい」と言えるようになってから始めると、続けやすくなります。
準備が整ったら、証券口座へ移そう
自分でしっかり調べて、あるいは信頼できる人のアドバイスをもとに「どの投資商品を」「どの証券会社で」買うかが決まったら、その時点でネット銀行から証券口座に資金を移してNISAをスタートする流れになります。
焦る必要はありません。腹落ちして始めた投資は、相場が多少動いても慌てずに続けられます。それがNISAで資産を育てる一番の近道です。
まとめ
- NISAは「腹落ち」してから始めるのが鉄則
- 事前準備:緊急予備資金/リスク許容度把握/基本知識/制度理解/口座選び
- 勉強中の待機資金は、ネット銀行の定期預金が選ばれることが多い
- 選ばれる理由は「手数料が安い」「母体がしっかり」「元本割れなし」
- 個人向け国債も選択肢だが、中途換金に制限あり
- 準備が整ったら証券口座に移して、長期視点でスタート
「いつ始めるか」より「どれだけ準備して、どれだけ続けられるか」が、長期投資の成否を分ける要素と言えるでしょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて金融商品取引業者(登録業者)にご相談の上、行ってください。


コメント