私のNISA口座の中身は、シンプルです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)――通称「オルカン」1本だけ。
「お金の専門家なら、もっと色々と組み合わせて運用してるんじゃないの?」と聞かれることがあります。
答えは、いつも同じです。「いえ、オルカン1本で十分です」。
この記事では、FP1級の視点から3つのことをお伝えします。
- 私がオルカン1本を選び続ける理由
- 私が「選ばない」ファンドの特徴
- NISAをこれから始める方への現実的な答え

私がオルカン1本を選び続ける、3つの理由
理由①:1本で世界中の優良企業に分散できる
オルカン(全世界株式インデックス)は、文字通り世界中の株式に投資するファンドです。
- 米国(約60%):Apple、Microsoft、Google、Amazonなど
- 欧州、日本、中国、新興国まで含めて約3,000銘柄
- 毎年、組入比率が世界経済の実態に合わせて自動調整される
「米国がこれからも強いはず」「いや、新興国も伸びる」――そんな予想は、ほとんどの個人投資家には不可能です。
オルカンなら、その予想自体が不要。世界経済全体の成長にそのまま乗れるのが最大の魅力です。
理由②:圧倒的な低コスト
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の信託報酬は、年0.05775%(2026年4月時点)。
仮に1,000万円を運用していても、年間のコストはわずか約5,775円です。
一方、銀行や証券会社の対面窓口で勧められるアクティブファンドは、信託報酬が年1〜2%。
1,000万円なら、年10〜20万円のコストになります。
30年運用を続ければ、コストの差は数百万円規模になります。
「少しでも増やしたい」のに、わざわざ高コストを払う理由は、どこにもありません。
理由③:シンプルだから、続けられる
長期投資で最も重要なのは、続けることです。
「米国が下がってきたから、今度は欧州か」
「テーマ型のAIファンドが流行ってるらしい」
こうした”乗り換え”を繰り返すと、結局は手数料を払い続け、どのファンドでも長期運用できなくなる。
オルカン1本なら、迷う余地がありません。
毎月積立を設定したら、あとは放置でOK。
忙しい現代人にとって、この「考えなくていい」という価値は、想像以上に大きいものです。
私が「選ばない」ファンド3選
逆に、私が手を出さない(出さなかった)ファンドの特徴をお伝えします。
① 高コストのアクティブファンド
「プロが厳選」「市場平均を超えるリターン」と謳われるアクティブファンド。
ですが、データを見ると、長期で見るとほとんどがインデックスに負けるのが現実です。
信託報酬1〜2%を払い続けても、勝率は5%未満。
「お金を払って負けに行く」ようなものなので、私は買いません。
② テーマ型ファンド(AI・ESG・脱炭素など)
流行りのテーマで作られるファンドは、「みんなが買いたい時」に新規設定される傾向があります。
つまり、価格はすでに高くなっている時に発売されることが多いのです。
テーマが廃れた瞬間、資金が引き上げられて運用も終了――そんな商品は、私のNISAには入れません。
③ 為替ヘッジ付きファンド
「為替リスクが心配」という理由で為替ヘッジ付きを選ぶ方がいますが、長期では割に合わないケースが大半です。
- ヘッジコストが毎年かかる(年1〜3%程度)
- 長期で見ると円安・円高は均されることが多い
- 長期で世界中の株式に分散投資していれば、株価の成長に比べ、為替リスクは小さいと考えている
オルカン1本なら、これらすべての懸念をシンプルに解決できます。
S&P500との違いはどう考える?
「オルカンとS&P500、どっちがいいの?」
これも、よく聞かれる質問です。
結論は「オルカン1本で十分。両方持つ必要はない」。
なぜなら、オルカンの中にすでにS&P500銘柄が約60%含まれているからです。
「ダブル持ち」は、実は集中投資になっている――くわしくはこちらの記事で解説しています。
▶ オルカン+S&P500の「ダブル持ち」は、実は集中投資になっている
NISAをこれから始める方への現実的な答え
「結局、最初は何をすればいい?」
私の答えは、いつも同じです。
- ネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券)でNISA口座を開設
- つみたて投資枠で、オルカン1本を毎月積立
- あとは放置。値動きに振り回されない
これだけです。
ややこしい商品の組み合わせも、難しいタイミング判断も、いりません。
シンプルこそ、長期投資の最強戦略。
それが、FP1級として、そして1人の投資家として辿り着いた結論です。
関連記事:保険ではなく、運用で家族にお金を残す
私が貯蓄型保険を解約してオルカンに乗り換えた理由も、こちらでまとめています。
▶ 【FP1級・大家のむすこの告白】銀行で買った貯蓄型生命保険を解約しました。80歳まで試算してわかった「オルカンの方が得」の理由
まとめ:迷ったら「オルカン1本」
NISAで何を買えばいいか迷っているなら、答えはシンプルです。
- オルカン1本で世界中に分散できる
- 圧倒的な低コスト(年0.05775%)
- シンプルだから、続けられる
「もっと賢く運用したい」と思えば思うほど、迷い、乗り換え、結局は損をする。
私自身、何度もそんな失敗を見てきました。
NISAは、未来の自分と家族のための、長期の積立。
だからこそ、「考えなくていい」が最大の武器になるのです。
※本記事は2026年4月時点の制度・市場前提を基にした、FP1級個人の見解です。投資にはリスクがあり、過去のリターンは将来を保証するものではありません。最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて慎重に行ってください。


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